2011年3月1日火曜日

第一章 復帰基台摂理時代 第三節 赤色(核心的内容)⑵より

第三節 アブラハムの家庭を中心とする復帰摂理
(一)信仰基台
(二)実体基台
(三)メシヤのための基台
(四)アブラハムを中心とする復帰摂理が我々に見せてくれた教訓

② アブラハムのイサク献祭
アブラハムが「象徴献祭」に失敗したのち、再び神はアブラハムにイサクを燔祭としてささげよと命令された(創二二・2)。それによって、「象徴献祭」の失敗を蕩減復帰する新たな摂理をされたのである。

どうして神は、アブラハムを再び立て、イサク献祭によって、彼の「象徴献祭」の失敗を蕩減復帰する摂理をなさることができたのだろうか。
第一に、「メシヤのための基台」を復帰なさろうとする神の摂理は、アダムの家庭を中心とした摂理が第一次であり、ノアの家庭を中心とした摂理が第二次で、アブラハムの家庭を中心とした摂理が第三次であった。しかるに、三数は完成数(後編第三章第二節(四))なので、「メシヤのための基台」を復帰なさろうとする摂理が、第三次まで延長されたアブラハムのときには、この摂理を完成すべき原理的な条件があったのである。
第二には、既に詳述したように、献祭をささげるアブラハムの立場は、すなわちアダムの立場であった。しかるに、サタンは、アダムとその子カインに侵入して、二代にわたって彼らを奪っていったので、蕩減復帰原則により、天の側でも、アブラハムとその子の二代にわたって、取り返してくる摂理をすることができたのである。
第三に、アブラハムは、蘇生「象徴献祭」に成功したアベルの基台と、長成「象徴献祭」に成功したノアの基台の上で召されたことから、完成「象徴献祭」をすることができたのである。それゆえ、アブラハムは「象徴献祭」に失敗したけれども、神はアベルやノアが、「象徴献祭」に成功した歴史的な心情の基台を条件として彼を再び立てて、もう一度献祭をせしめることができたのである。
アブラハムは、イサクを供え物としてささげるときにも、「象徴献祭」をささげたときと同じように、まず、アダムの家庭を復帰する象徴的な蕩減条件を立てて、イサク献祭のための信仰を立てなければならなかった。

アブラハムは、イサク献祭をいかにささげたのだろうか。アブラハムはその絶対的な信仰で、神のみ言に従い、祝福の子として受けたイサクを燔祭としてささげるため殺そうとしたとき、神は彼を殺すなと命令されて「あなたが神を恐れる者であることをわたしは今知った」(創二二・12)と言われた。
神のみ旨に対するアブラハムの心情や、その絶対的な信仰と従順と忠誠からなる行動は、既に、彼をしてイサクを殺した立場に立たしめたので、イサクからサタンを分離させることができた。

アブラハムがイサク献祭に成功することによって、アブラハムを中心とする復帰摂理は、イサクを通じて成し遂げていくようになっていたのであった。

③ み旨から見たイサクの位置と彼の象徴献祭

自分の責任分担を果たせずに失敗した張本人であるアブラハムを中心としては、再び同じ摂理を繰り返すことはできなくなっている。したがって、神は「象徴献祭」で失敗したアブラハムを、失敗しなかった立場に立て、また、延長されなかった立場に立てなければならなかった。神はこのような目的のため、アブラハムに、イサクを燔祭としてささげよと命令されたのである(創二二・2)。

アブラハムが神の命令に従って、その約束の子イサクを殺そうとした忠誠は、「象徴献祭」の失敗によってサタンの侵入を受けた自分自身を殺そうとしたのと同様な立場をつくったのである。したがって、神がイサクを死んだ立場からよみがえらせたということは、アブラハム自身も、イサクと同じく、死んだ立場から侵入したサタンを分立すると同時に、再びよみがえったということを意味するのである。ゆえに、アブラハムはイサク献祭で成功することにより、「象徴献祭」の失敗で侵入したサタンを分立し、み旨を中心としてイサクと一体不可分の立場に立つようになった。

献祭を中心として、イサクとアブラハムとが共に死んだ立場からよみがえることによって、第一に、アブラハムは、「象徴献祭」の失敗によって侵入したサタンを分立し、失敗以前の立場に蕩減復帰して、その立場から自分の摂理的な使命をイサクに継がせることができ、つぎにイサクにおいては、彼がみ旨の前に従順に屈伏することにより、アブラハムからの使命を受け継ぎ、「象徴献祭」をささげるための信仰を立てることができたのである。
このように、アブラハムの使命がイサクの方に移されたのち、「アブラハムが目をあげて見ると、うしろに、角をやぶに掛けている一頭の雄羊がいた。アブラハムは行ってその雄羊を捕え、それをその子のかわりに燔祭としてささげた」(創二二・13)と記録されているとおり、アブラハムは、イサクの代わりに神が準備された雄羊を燔祭としてささげた。これは、そのままイサクを中心として、「信仰基台」を復帰するためにささげられた「象徴献祭」となったのである。

イサクは、アブラハムの使命を受け継いで、彼の身代わりの立場で、「象徴献祭」に成功して、「信仰基台」を蕩減復帰したのである。

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